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剣菱に宿るもの

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日本が誇る職人技の“結晶”

甑(こしき)

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お米を蒸すための道具として古くから日本酒造りに使用されている木製の甑(こしき)。「酒造」や「酒蔵」と聞くと多くの人がまず頭に思い浮かべるこの大きな木桶は、製作における技術的難易度がもっとも高い酒造道具のひとつでもある。

まず、材料面。高温の蒸気にさらされても木が反らないよう、甑には杉の柾目板(まさめいた/木目がまっすぐな縦縞の板。耐久性に優れているが切り出しに手間がかかり、そのうえ1本の木からとれる量も少ない)が使われる。必然的に高樹齢の幹が太い大きな木が必要となるが、現在、良質な大木の入手は非常に困難。木目を吟味しながらの切り出しにも、職人の高い技術が必要となる。

また、桶を締めるための竹を編む作業も、職人の腕の見せどころ。太くて長い竹を編むには相当な力が必要となるが、ただの力任せでは竹が折れてしまう。長年の経験のなかで培った力と技を駆使して、しなやかに竹を編み上げていく。

さらに、編み上がった竹の輪(タガ)の締め具合にも職人の卓越した技術が。桶をきつく締め固めすぎてしまっては、木が水分を吸って膨張した際に逃げ場がなくなり、甑そのものが変形。そのため、蒸気を含んで膨張したときにはじめて最適な締まり具合になるよう綿密な計算が施されている。これは口で言うのは簡単だが、実際は大変な作業。竹タガは一度編み上がったら、わずかに緩めることはできても締めることはできない。その技を受け継ぐ者にしか聞き取ることのできない木や竹の“声”に耳を傾けながら、その締め具合を見極めていく。

製作に費やされる時間は、木を乾かす作業も含め約2年。今ではアルミやステンレス製のものが主流となっているが、この日本の職人技の“結晶”ともいうべき甑なくして、剣菱の味は守れない。

現在、甑をつくることのできる職人は、剣菱の知る限りでは全国に2名。変わらぬ味を未来に継承するために、剣菱では今も職人を探し続けている。

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