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蔵元通信

2021年06月30日

【プレスリリース】日本が誇る醸造の歴史と文化を、未来へ。 日本最古の銘酒「剣菱」が、木製道具づくりの技術や知識を社外に“開放”。

創業500年以上の歴史を誇る剣菱酒造株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:白樫 政孝)は、自社に継承する技術や知識を活かして、酒や味噌、醤油などの醸造に使われる伝統的な木製道具の受注生産事業を開始いたします。

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同社は「時代を超えて変わらぬ味を守り続ける」という理念のもと、そのために欠かすことのできない昔ながらの木製の道具の内製化に2009年より着手。職人を社員として迎え入れて自社内に専門部署を組織し、2017年には道具製造のための木工所を酒蔵内に建設、国内最後の木桶メーカーである『株式会社ウッドワーク』(大阪府堺市)や2012年に「木桶職人復活プロジェクト」を発足させた『ヤマロク醤油』(香川県小豆島)にも協力と指導を仰ぎながら、伝統技術の継承と後継者の育成を行ってきました。​

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一方で、全国的には、『株式会社ウッドワーク』が2020年をもって大桶の受注終了を表明したことで、木製の道具の入手がより一層困難に。「木製の道具には長所短所があり、使うか否かは各メーカーの判断次第。ただ、長い歴史と文化を誇る日本の醸造業からその選択肢自体が奪われてはならない」。そんな思いから、もともとは自社の“変わらない味の酒づくり”のために培った道具づくりの技術や知識を、社外に向けても提供するに至りました。

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記念すべき受注生産“第1号”となるのは、長野県上田市にある信州イゲタ味噌醸造蔵元『酒の原商店』(長野県上田市)から委託を受けた「木製甑」。「安定した蒸し米をつくるために木製の道具を使い続けたい」との考えで、道具新調に際して長らく職人を探していた同商店との出会いをきっかけに、木の選別から乾燥、製造に至るまでフルオーダーメイドで450日かけて完成した“剣菱史上初の取り組み”にして“世界にひとつ”の甑が、2021年6月23日(水)に同商店に蔵入りしました。なお、同商店では7月1日(木)〜7月25日(日)の期間中、この「木製甑」の展示も実施いたします。
また、木製甑の作製の様子がYOUTUBEの原商店公式チャンネルで公開されております
【原商店公式チャンネル】

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今回の受注生産を皮切りに、社外の木製道具の修理や製造、さらに展示や撮影用の道具の製造など、同社の技術と知識を醸造業の歴史や文化の継承のために活用していくことが、日本最古の銘酒である同社の役割であると考えております。

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